KINDNESS ジャシンダ・ア―ダーン著

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この本は、政治家の回顧録と言うより自叙伝と言ったほうがいいと思う。
それほど、人間の内面を描写してはいないのだが、そこがまたあっさりとした物語になっていて小説のようなドキュメンタリー作品となっている。
この前に読んだ本が、300頁くらいの文庫本だったのでこの本を見た時には、やれやれ500頁越えかあと思ったりしたが、一気に読んでしまった。

2030年までに自殺率を20%下げると言う政策目標を却下、「では、目標は何にするのですか?」と問うアドバイザーに「目標はゼロです」と言い放つ、だって、命にどれだけだったらいいとか許容範囲をつけるのはおかしいと思うから。
しかし、理想主義だけではなく国会議員として培ったタフさも持ち合わせている。
本人は自分自身を低評価して弱い人間だと思っているのだが、外から見れば芯の強いタフな政治家。そんなギャップに悩む時もある。

彼女は敬虔なモルモン教徒の家庭に生まれ、本人も熱心な信者であった。その自分のアイデンティティとも言える宗教に背き自分の信念を貫く。それがどんなに大変な事だったか想像に難くないが、そんなところはさらりと流している。
そして、この本には自慢話がほとんどない。

この本の副題が”思いやりと優しさで世界を変える”、まさにその信念を貫き通した政治家の自叙伝として、社会で奮闘している女性の道しるべとして、我が子にも薦めたいと思う良書である。
日本にもこう言うリーダーが欲しいなぁ。それには、日本人がもう少し賢くならないと無理だろうけどね。

 

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