女の子たち風船爆弾をつくる 小林エリカ著

この本、小説だと思って読み始めた。
一人称の子供がしゃべっているのだが、それが複数人である事に気づいて何か違う雰囲気を感じる。ああ、まだプロローグだからかと思っているといつの間にか本編に入っていて、これが最後まで続くのである。
この本はドキュメンタリーだったのだ。
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この国のかたちを見つめ直す 加藤陽子著

僕は、九州で生まれた。子供の頃、新聞は毎日新聞と朝日新聞と西日本新聞以外知らなかった。そして、小学校六年生の頃、近所に読売新聞の販売店が出来た。
最近知った事だけれど、戦前は発行部数で朝日新聞200万部、読売新聞20万部くらいだったらしい。
当然、生まれた時から我が家は毎日新聞であった。そして、未だに毎日新聞である。
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土と脂 デイビット・モントゴメリー著

この著者の書いた本に最初に出会ったのは、確か毎日新聞の書評欄に載っていた”土と文明”と言う本だった。そして、僕にとってここ数年で一番と思える”土と内臓”と言う奇妙な題名の本、そして、三冊めがこの”土と脂”だ。
どれもちょっと変な題名の本だけれど、この題名も読後に振り返れば妙に納得する。 “土と脂 デイビット・モントゴメリー著” の続きを読む

チーズとうじ虫 カルロ・ギンズブルグ著

僕は、NHKのカルチャーラジオ歴史再発見という番組をたまに聞いている。その番組では現在、法政大学の湯澤規子教授による「胃袋の近現代史」が放送されている。
そして、この本がこの番組の中で紹介されたのである。
しかし、どうして僕がこの本を読もうと思ったのかは思い出せない。たぶん、題名が面白かったからだろうとは思うけれど、まあ、このラジオ番組も面白いからそれで興味をもったのかもしれない。
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帝国データバンクの経済に強くなる数字の読み方 帝国データバンク情報統括部著

経済に強くなる数字の読み方なんて、なんとなく自分の弱点を補強できそうな気がしてくる題名に惹かれて手に取ってみた。
まあ、そんなに簡単に弱点克服とはいかないだろう事は、もうこの歳になればうすうす感じてはいたんだけれど。
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奇跡のバックホーム 横田慎太郎著

この本を読む前に横田君のお母さんのドキュメンタリ本を読んだ。だから、この本は読まずにいられないでしょ。
これは、出版社の策略かもしれないけれど、それはそれでいいじゃないかと思ってしまう。だって、この二冊の本に出会えたのだから。
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栄光のバックホーム 中井由梨子著

2009年8月、僕は横浜スタジアムの1塁側内野スタンドにいた。そこでは、全日本少年軟式野球大会の試合が行われており、鹿児島から来た東市来中の攻撃中だった。
隣の人が打席の選手を目で追いながら「あの子、二年生らしいよ」と言った。僕は、「ほう、2年で4番かぁ」と言ったのを憶えている。
本当は3番だったか、いや、5番だったかもしれない。
とにかく、中学生は成長が早く学年毎の体格差が大きいので下級生でクリーンナップを打つのは少ないのである。
その二年生選手が、横田慎太郎君だったのである。
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