大学生であった著者がオバマに心酔し、大統領選のボランティアとして活動していった延長上にホワイトハウスのスタッフとなる。そして、そのホワイトハウスのスタッフとしての活動の日々を綴ったものである。
ちょっと内容からすると470pは長いかなと思うときもあったけれど、最後まですんなり読めた。
著者が、ボランティアとして選挙活動をしていく姿を細かく描写している訳ではないけれど、アメリカの選挙の草の根的な部分、すなわち、日本でいうところのドブ板選挙が、あの”Yes we can”のうねりの中でおこなわれたこと。そして、オバマが勝ち進んでいくときの熱気のようなものは、よく伝わってくる。
そして、ホワイトハウスのスピーチライターとしての日々、議会からの圧力、苦しかった再選のとき、そして、退職のときのことと進んで行く。
著者は、いろいろと思い出しながら書いているからだろう、一番最近の退職のときの文がいちばん出来がいいように見える。
デスク周りの整理、IDカード等貸与物の返却、オフィスを出るときに感じた著者の感傷に共感を覚える人も少なくないと思う。
まあ、アメリカ大統領選の雰囲気、ホワイトハウスのスタッフのことなどちょっと覗いてみたいなというのには、いいかなと言う本でした。