イカの心を探る 池田譲著

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この前読んだ、幸田正典著 ”魚にも自分がわかる”で紹介されていたこの本を読んだ。だって、あの本の衝撃からしたら当然の結果だよね。
題名も”イカの心を探る”だし、読まずにいられません。

と言う訳で読んでみたが、結論から言うとイカは鏡を見て、自分の足(ホントは手らしい)で頭を掻いたりしないし、おでこについた寄生虫を取ったりしないらしい。
と言う訳でイカが鏡を見て自己認識することは、確認出来ていない。
ああ、残念。

ただ、この本は面白かった。
この本の著者は、文章と言うより話がうまい。それに門外漢でもわかるように図やグラフのこまかい所を省略せずていねいに説明してくれる。
だから、途中でモヤモヤして飽きたりせずに読み進める事が出来た。

自分が研究を始めた頃の話からイカの周辺の研究の話やら話の持って行き方がうまいので、イカが鏡を見て額のマークをポリポリと掻くのを今か今かと待っている僕でも待ちきれずに途中でやめる事なく読み進められた。

ただ、イカは鏡に映った自分の姿を自分の足(手)で触るらしいし(他のイカにそんな事はしない)、いろんな鏡を見せる実験でそれらしい反応を見せるらしい。
そもそも、この本は鏡像自己認識だけの本ではなく、巨大な脳を持つイカと言う動物の心を探ろうとする本なので、勝手に僕が期待しているほうがおかしいのだけれど。

とにかく、”魚にも自分がわかる”やこの本で、僕が教えて貰った事は、如何に人間が傲慢に他の動物を見下して、なんの根拠もない先入観でいろいろな事を決めつけているかと言う事。
それが、科学の世界でも同様だと言う事。

その勝手に作った人間の常識にチャレンジしているふたりの研究者に拍手!

 

 

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