キッチンの悪魔 マルコ・ピエール・ホワイト著

この本は、最年少でミシュランの三ツ星を獲った男、マルコ・ピエール・ホワイトの自伝である。
この人、料理界のロックスターなどと言われ、風貌からしてそれらしいのだけれど、クレームつけた客を店から追い出すなどなかなか過激なところもあったらしい。
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鉤十字の夜 キャサリン・バーデキン著

時は、西暦2600年代。
世界は、ドイツ帝国と日本帝国に二分されて、ドイツ帝国ではヒトラーを神と崇めるヒトラー教のもと騎士と呼ばれる支配階級とナチ党員と平民の封建制の国家となっていた。
そして、被支配下地域であるドイツ以外の国々の国民は、ドイツ国民以下の階級となっていた。そして、キリスト教徒は誰からも蔑まれる賤民となっていた。
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花の命はノー・フューチャー ブレイディみかこ著

僕は、ブレイディみかこにちょっとはまりぎみ。
と言う事で、彼女の幻のデビュー作を読んでみた。
この本、新型コロナ自粛解禁後の本屋さんに行ってみたのだけれど無かった。
最近、売れて来た作家だと思っていたけど、この本まで揃えておくほどではないと言う事か。
それで、久しぶりにネットで買った。やっぱ、ネットは便利だな。
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危機と人類 上下 ジャレド・ダイアモンド著

あの名著、”銃・病原菌・鉄”の著者ジャレド・ダイアモンド博士が書いたこの本、期待を持って開いた。
やはり期待通りで、平易な文章で広く俯瞰していながらポイントは絞って興味を引き付けてくれ、なかなか飽きさせないところが、ダイアモンドさんらしい。
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夜空はいつでも最高密度の青色だ 最果タヒ著

小学校高学年か中学生の頃、たまにひとりで夜釣りに行っていた。神奈川に住むようになってからも、独身の時は、たまに夜釣りに行っていた。
夜釣りに行って釣れないと往生際が悪い僕は、朝まで粘るときもあった。
そんなとき、夜から朝になる瞬間の空は信じられないくらい美しい。
工場の灯りが煌々と照っている横浜の港の夜明け間近の空は、星の数こそたいしたことないが、漆黒の空と海との境目あたりがほんの少し濃紺になったかと思うと瞬く間にその濃紺の領域を広げていく。
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