今、我々が住んでいるこの世界と同時進行で時間が進むまったく別の世界がある。この本は、そんなパラレルワールドでの皇后不二子の物語である。
ある日、皇后不二子はジャスミンという個人秘書を雇う。このジャスミンの手助けにより皇后は、匿名でネットワールドへ進出し、最後には現政権に不満を抱く天皇は、自分の思いを政府にぶつける。
そんなストーリーなんだけれど、僕がこの本を読み終わった直後にこっちの世界では、総理大臣が辞任した。
ウッソー、これって皇后が大統領に電話したんじゃないの~!
なんて思ってしまって嬉しくなったけれど、結局官房長官が次期総理になってしまった。
だから、こっちの世界はパラレルワールドの向こうの世界とは違うんだなというのがはっきりした。
だって、官房長官が次期総理なら前総理と同じことか、それ以上の事をやるだろうからなんにも変わらないということ。
だから、こっちの世界では天皇陛下の所信表明も皇后陛下の電話もなかったという事でしょ、残念。
ちょっとワクワクしたんだけどな。
とにかくこの本、SFショートショートみたいで楽しめました。