ここ二週間、僕は自主休業で自宅待機中、本屋も図書館も休業中、だから、もっぱら娘が借りて来るビデオ鑑賞の日々。
他になんにもする事もないので、そもそもこの新型コロナ騒動ってどうなってるのかあらためて考えてみる事にした。
それは、やっぱり以前から感じていた現政権の危うさやそれに追随するマスコミの節操のなさがこの騒動で如実に表れてきたように見えるからだ。そして、それは日本国民の後押しあってのものではないだろうか?
今回の新型コロナの事で頭を整理するためにちょっと時系列に関連する事柄を並べてみたい。
日本で初の新型コロナ感染者が出たのが1月16日だった。
そして、クルーズ船が横浜港に入港したのが2月3日で2月5日着岸、新型コロナ対策会議を招集したのが2月14日、そして、3月1日にクルーズ船から全員下船、その間、クルーズ船内では感染者数は増え続け、厚労省の職員や検疫官まで感染していた事が判明した。
そして、このクルーズ船においての感染症対策に失敗したと内外から批判される。
そのクルーズ船対応を批判されたからだろうと僕は想像しているけれど、2月27日には安倍首相が独断で唐突に全国の小中高校等に休校要請する。
3月14日には大政翼賛会的に国会通過した特措法が施行。
3月24日、東京オリンピック延期決定。
4月1日にはアベノマスク配布を発表。
4月7日、7都府県に緊急事態宣言、そして、4月16日には全国に。
そして、本日5月1日時点で緊急事態宣言が5月末まで延長されることが確実視されている。
ここで目につくのは、全国の小中高校の休校要請とアベノマスク。
小中高休校要請は全国緊急事態宣言の半月以上前に唐突に発表、アベノマスクは国内外や自民党内からも批判、笑いものにされても強行する。
これなんか、いつもどおりの安倍政権の対応だと思う。即ち、「保育園落ちた、死ね!」と言われれば、ハイハイ保育園、保育園と言っても保育園なんか急に出来る訳はないから唐突に保育園も幼稚園も無料にする、なんて言い出す。
社会保障費や国の借金が多いから消費税上げるとか言っておいて、蓋をあければ、簡単にできる人気取りの幼保無料化に使うのか。
あれだよね。
そんなこと誰も望んでないのは分かっているけれど、タダになるんだから誰も文句を言わないだろうし、何かやってる感はあるでしょ。なんて感じで決まったんじゃないかと想像してしまう。あれと同じ。
でもこれ、誰も望んでいないのが分かってないでやっているとしたらと思うと空恐ろしい。
願わくば、我らが首相は悪党であって欲しいと思う。だって、悪党なら自分のやっている事の意味くらいは分かっているでしょ。
もっと空恐ろしいのは、この間のマスコミの対応。
政府の発表を垂れ流すばかりで、独自の視点からの記事なんてほとんど皆無。まあ、隅っこのほうのコラムとかでは何か書いてるのかもしれないけれどテレビや新聞の目につくところでの批判的なニュアンスなんて探してもみつからない。
そうは言っても、大新聞については僕は偉そうには言えない。それは、昨年から大新聞をやめてローカル紙に変えたから、実際ネットで流れるニュース以外は大新聞の紙面を見ていないのだ。
でも、まあテレビと大同小異でしょ。
最近、テレビでよく対人接触は8割減にしましょうなんて言っているが、本当にそんなこと実現可能なのかと思う。
4人家族のお父さんが、クルマ通勤でお昼は弁当、工場でライン作業なんかの仕事だったら8割減したら自分の家族以外誰とも会えないレベルだと思うんだけれど。少なくとも僕の場合はそうだ。
それに物流業や小売り業の人達、テレワークなんかには縁遠い職種の人達も含めて、マスコミの人達って全体で8割減が達成可能だと思っているんだろうか? それとも、8割減と言えば全体で5割減くらいにはなるだろうからと言う政府の意向があって、それを忖度して下々には8割減と言っておけばいいとでも思っているのだろうか?
それとも、それとも、自分たちが不可能だと思っている事をただ他人にそうしろと言っているだけなのだろうか?
それじゃまるで戦時中のスローガンじゃないか。
感染者数についても同様で、テレビで感染者数が減ったとか増えたとか盛んに言っているけれど、視聴者が受け取っている意味の感染者の数ではなくて、正確に言えばPCR検査した人の中で陽性反応が出た人の数の事でしょう。実際の感染者と言うのはもっといる筈だし、検査数を増やせば当然感染者数もそれにつれ増えるだろう。
その分補正して、率で表現する必要があるんじゃないの? とかいうスタンスで作っているテレビ番組をあまり見ない。
そもそも、感染が広がった当初にPCR検査数を絞って発生源を突き止める事にパワーを振り向けようというのは理解できなくもないが、ある程度広がってからも相変わらず対応は変化しなかったのは何故なのか、お偉い先生が自分のプライドを守る為に固執しているんじゃないのかとか、そんなところでもツッこむ番組や記事はあまり見なかった。
そもそも、最初の頃にテレビで言っていた専門家と言う人は、数百件のPCR検査をやるのに現場は大変です、徹夜もしてますなんて言ってるから変だなと思っていたら実は国の3機関でしかPCR検査をやっていないんですとは、トホホ・・・。
ここで、なぜ大変なのか、どこで誰が検査をやっているのかと質問するインタビューアーは誰もいない。
検査機関だけでなく、全国の公立民間の研究機関や大学の理学部や医学部、スタッフは学生でも1週間もトレーニングすれば充分検査スキルは身に付くでしょう。そんな事さえできない政治家、役人、専門家。そして、検査体制は3500件可能ですと言っているときに実検査数は900件、最近では18000件の検査体制で実検査数は9000件だとか。
テレビでは、今の検査のやり方は医療崩壊を防ぐためですと連呼していたけれど、その合理的な説明は専門家もしないし、インタビューアーも質問しない。
実は、救急や内科や外科、そんな従来からある普通の診療科で新規の患者全員を感染者として対処しないといけなくなって、そこから医療崩壊が起りつつある。それが、現実なんじゃないだろうか?
おまけに3月24日の東京オリンピック延期決定直後から感染者数が急増したとなると、この感染者数って政治的なものじゃないのかと疑いたくもなる。
そして、とどめは在日米国大使館の在日米国人への「日本の感染者数って信用できないから危ないよ、早く帰国しなさい!」と言うメッセージ。
この期に及んでもまだ日本のマスコミは、手洗いしましょう、対人接触は8割減にしましょう、観光業や飲食業は大変ですね、アベノマスクは、給付金は、いつ貰えるの? そんな表面的な事柄ばかりの垂れ流し。
日本で感染者が出てから3カ月半の政府の対応を検証しようとか、それを踏まえて今後の対応はどうあるべきか? なんて番組はあまり見ない。
と言うより、そういうスタンスで毎日の報道をしていると思われるマスコミは皆無だろう。
いやぁ、お寒い現実。
徴用工問題のときもそんな御用マスコミの貧しい現実を突きつけられた。
テレビのニュースが流れる度に盛んに韓国の裁判所の判決と韓国政府の対応を「日本政府は国際法違反の状態を解消するよう要求・・・」と言っていた。それで、僕のまわりの人達数人に韓国は国際法違反なのかと問うたところ、そうだと言っていた。
そうだよね、僕もそう受け取れた。
世界中が国際法違反状態だと認めた状態、その解消を日本が要求しているように聞こえた。
でも僕の記憶によると、外務省の柳井さんという人が国会の答弁で個人の請求権はあると言った。それで、当時個人の請求権を認めていなかった中国や韓国の人達が日本の裁判所に訴えたけれど、日本の最高裁は個人の請求権は認めたけれど訴えは棄却した。そして、中国の人達は裁判に敗れたけれど、損害を与えたのは確かだし知らんぷりもできないので関係する企業が賠償金を支払った。
こういう過去がありながら、韓国は国際法違反だとうそぶく日本政府とそれに従う日本中のマスコミ、どう見たって危ないでしょ。
今回もそんな匂いがするのは、僕だけなんだろうか?
特になかなかPCR検査体制の拡充がなされなかったのはなぜか?
今となっては、保健所や病院でもできるし大学でも民間の検査機関でも出来る事が分かっているが、なぜ最初からそういう色々なところでやろうとしなかったのかとか。
最近、増えて来たようだけれども、まだまだ、PCR検査可能件数と検査件数の乖離があるとか。
こんな事、マスコミに突っ込んで欲しいんだけどなぁ、何か安倍政権というか現体制全般に忖度しているようで気持ち悪い。
37.5度以上の熱が数日続いても、帰国者でも濃厚接触者でもないからダメとか、肺炎の症状があるからと医師が検査を要求しても断られるとか、いろんなところから聞こえて来るのに大々的にマスコミが追及する事もない。ただのエピソードでおわり。
新型コロナ騒動初期の頃なら方法論の違いで説明できただろうけれど、感染源が特定できないケースがあっちこっちに見つかりだしたらそんな事も言ってられないでしょうに。
感染しているけれど無症状や軽症の感染者がうろつきまわりウィルスを撒き散らしているんじゃないの? なんて報道見た事ない。
お上を批判する報道なんてマズイよね、と言う雰囲気がマスコミに蔓延しているんじゃないのかと想像してしまう。
まあ、検査件数が増加しないのは、保健所を窓口にした事でそこがマンパワーの限界でボトルネックになってしまっているらしいと言う話もあって、やっと最近検査窓口を広げようという動きも見られるけれど、それにしてもそんな事今頃言うなと言いたくなる。
4月上旬頃になってもテレビで、検査数が増加しない事に関して日本は検査の考え方が諸外国とは違いますからと言う専門家がほとんどで、それにツッコミを入れる番組司会者もいない。
これで感染者が増えたの減ったのと言っても肝心な感染者数自体の根拠があやふやだと意味があるのかと言いたくなるし、これからの感染対策だってちゃんとした事出来るのかと疑問に思ってしまう。
と、こんな事感じている国民は僕だけじゃないだろうけれど、マスコミ業界にはいないんだろうか?
「岡山県に来た事を後悔すればいい。」と思慮分別のない発言をする県知事。他県ナンバーのクルマに石を投げるヤツ。公園で遊んでいる親子に罵声を浴びせるジジイ。
そして、それをブツ切れのエピソードとして垂れ流すしかしないマスコミ。
ヘリからゴルフ練習場を映して、密集しているように見えますと、”見えます”なんて逃げ場所作ってから地上から横方向の映像で密集しているように見せる番組。その癖、建物の中の映像や感染症対策がどう行われているかなどの説明は一切なし。
屋外で2m以上離れていればいいんじゃないの?
こんなときに遊んでいるやつは誰だ、スケープゴートを見つけろと言う番組制作者のあざとい意図がミエミエに思える。
戦時中の非国民とは、こういう事なんだなとあらためて思ってしまう。
とにかく、まともな国会答弁もできないで頓珍漢な人気取り政策ばかりの首相以下大臣達、大政翼賛会的な国会、それにへつらう役人達、そして事なかれ主義か忖度かは知らないが、お上の方ばかり向いているマスコミ業界、そして考えの浅い見栄っ張りで気位の高い国民。
大本営発表ってこんな感じの中で行われていたんじゃないかと思ってしまう。
もう一度言うけど、大正、昭和と戦争に突き進んだ時代と似ているんじゃないのかと言うか、今の日本ならバカな事でもなんでもやってしまいそうな気がして怖くなってくるし、日本民族の本質を突きつけられた気がして滅入ってしまう。
ああ、自分の国の政治家や官僚や学者やマスコミ、そして、一般国民までこんなに愚かなのか、暗澹たる気分だ。
僕は外国の事は全然知らないのだけれど、外国では揃いもそろって皆ダメなんて国は、あるんだろうか?
以前、北朝鮮がICBMをアメリカに打ち込むぞって言ってた時に、僕の友人が、「まさか、いくら北朝鮮でもそんなバカなことはしないだろう」と言うので、僕が「わからないぞ、70年以上前にGNPは実質10倍以上、粗鋼生産量でも10倍以上、自動車保有台数は約160倍、こんな国に戦争しかけた国が、極東にあったんだから」と言ってお互い笑ったのを思い出した。
いや、ホント、笑ってる場合じゃないかも。