この本、例によって図書館で借りたのだけれど写真を撮り忘れて、いつもはトップに貼り付ける写真がない。
ごめんなさい。
最近、こういう事が多々あって自分の年齢を自覚させられる事が多くなって来たなあと思うのだけれど、よくよく考えてみるとそれは言い訳でこんな事、昔からよくあったような気がする。
そうだよなぁ。
さて、この本を読み始めて思った事は、軽いタッチで文字も大きめページ数もそんなに多くない。早く読み終わったら次の休日に読む本ないなぁ、だった。
確かに読みすすんで行ってもその通りだったのだけれど、内容は僕にとってはそんなに軽くは無かった。
物語は、東京で働いている主人公のもとに若い頃ヤクザだった彼の祖父が危篤だとの知らせが来て、彼が帰省するところから彼の祖父が亡くなって葬儀を行い、また、東京に戻って来るまでの話である。
彼の祖母、ふたりのおば、姪、そして耳の聞こえない彼の両親、その登場人物達が普通に振る舞い、普通にしゃべって話は進んで行く。
著者にすれば、これは普通じゃないんじゃないかと思っているかもしれないが、僕にすれば普通に見える。
何故かと言えば、主人公が新幹線で帰省するところや病院に着いてから葬儀まで、僕の親族が亡くなって僕が帰省したときと重なってみえる。僕の姉妹との会話やその場の雰囲気もとっても似ている。みんな、そんなもんなのかも知れない。
そして、この主人公と父母との場面を読んでいると、ああ、おふくろにもっとやさしくすれば良かったなあ、あんな事、こんな事して欲しかったんじゃなかろうか、なんて思ってしまう。そして、主人公が東京に帰るときに駅まで見送りにきた父母との場面では、僕は今度は父親の気持ちになって息子の事を思い出してしまった。
この物語、小説家の大先生だったらもっと小さい字で多くのページ数の重厚な小説に仕上げたかもしれないけれど、僕は、この軽いタッチで主人公と両親との溢れんばかりの愛情を感じられて、大満足でした。