ままならないから私とあなた 浅井リョウ著

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女子高生の娘が図書館から借りて来た本の三冊め、このシリーズ最後は娘の好きな浅井リョウ。
娘が中学生の頃から読み始めて、それをちょいちょい借りて読んでいたので僕にとっては、朝井リョウはおなじみの作家である。

この本、二編の話が載せられている。
最初の話が、「レンタル世界」と言うお話。
主人公が、友人の結婚式で気になる女の子と出会う。そして、その子をどんどん追って行くと、結局、みんなレンタルだったというお話。
昔のSFなんかの小品であったよなぁ、なんて思ってしまった。

次が本の題と同じ「ままならないから私とあなた」。
まあ、題名そのもののお話なんだけれど著者名と同じ浅い掘り下げ方であっさり読める。漫画の原作なんかにちょうどいいかも。
ちなみに女子高生の娘の感想は、最後の終わり方がイマイチだそう。

僕もそう思ったけれど、結局作者は何を言いたいのか終わり方で分からなくなってしまった。最後まで対照的な登場人物が平行線を辿り、そのまま終わってしまった感じ。
これが、いつもの朝井リョウスタイルと言えばそんな気もしてきた。

朝井リョウと言う作家、当初から文才はあると思ってきたけれど、結局、文才はあってもドラマを作り上げる力量はないのかもしれない。それに本人が気づいてきたのかもしれないと思ってしまった。
それが、最初の話の冒頭にエロい場面を持って来て”つかもう”としたり、”舐る”なんて言葉を使ったりするところに出て来た気がして憐れに思えた。

そもそも、彼は舐るなんて言葉を使った事があるのだろうか?
僕は、40年くらいは使った事がなかったので懐かしい気がしたけどこんな軽い現代小説にわざわざ使うところがあせりなのか、はたまた、文学者らしいところを見せたかったのか?

とにかく、1500円出してこの本買うよりシルバー割引1000円でハリウッド映画を見た方がいいかな、僕の場合。

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