強権に「いいね!」を押す若者たち 玉川透編著

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最近、この新型コロナ騒動からツイッターをちらちら見る機会が増えた。その、ツイッターの投稿をみているとどうも幼稚としか言いようのない考えの投稿をちらほら見つける。

それは、法治国家としてとか民主国家としておかしいでしょ、歴史的に見ておかしいでしょ、こんなところでそんな発言してあんた恥ずかしくないの? なんて投稿なんだけれども、大手を振ってまかり通っている感じだ。

僕が思っていたその背景とは、日本民族至上主義(但し、アジアの中だけだけど)とか「巨人、大鵬、卵焼き、自民党」だからとか、何か感情的なものが先にあってそれを擁護するための底の浅い考えなんだろうと思っていた。

ところが、この本によるとそんな単純なものではなくて、人々はどうも民主主義に飽き飽きして来ていて、専制君主的な強いリーダーや軍事政権でもいいから即断即決のもっと効率のいい制度を望んでいるらしい。
そして、それは世界的な傾向らしい。
それをヤシャ・モンクとロベルト・ステファン・フォアの論文を紹介して、この本の骨格としている。

ただ、そう言う現象を紹介して警鐘を鳴らしているとは言えるのだけれど、例えば、冒頭の大学生の主張を紹介するあたりでも、即断即決はいいかもしれないが、すべてが国民の為を思った政策とは限らないし、独裁政治になれば自由は制限され独裁者にへつらう者だけが優遇され、それ以外の人は迫害されるのは歴史の必然だとか、簡単な反論をして彼らの考えの基をあぶりだして欲しかった。

また、それら強権を望む人達が何故増えているのか、背景にあるのは教育なのか、社会の流れなのか?
少しはあるんだけれど、もう少し突っ込んだ論考が欲しかった。
新聞記事やテレビ番組ならいいかもしれないけれど、出版された本なんだからもう少し掘り下げて欲しかった。

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