癌と重曹とクエン酸

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先日、Iphoneの画面にツイッターのおすすめが表示された。何かと思えば、重曹を飲んで肺癌が消えたとあり、まだ、リンパには残っているけど、なんて書いてある。
なんだこりゃ。

このまえ、ここの読書ノートにもちょっと書いたけど、僕の親戚に乳癌になった人がいて、最近癌関連の記事なんかも気になって読んだりするようになった。
それで、重曹が癌に効くのかぁとちょっとネットを検索してみた。
するとNHKの水野雄太さんと言う人のこんな記事にぶち当たった。

NHKの記事
”がんは自分で治せる?” メディアが問われる医療広告

ようは、イタリアのシモンチーニ博士とかいうお医者さんが、癌は重曹で治せるとか言っていて、それを紹介した本の広告が朝日新聞に掲載されている。そして、その広告をツイッターで批判した日本医大の勝俣教授と言う人にインタビューして、いかがわしい治療法であると聞いて来た。

そして、朝日新聞は件のシモンチーニ博士はイタリアで、治療で患者を死なせて医学会を追放されており禁固刑にもなっている人だったので、広告の掲載についてもっと検討するべきだったと発表した。

それで、このNHKの記事はこのあと医療広告の規制についてと言う事で、厚労省まで引っ張り出していろいろ説明している。
結局、この記事は医療広告の問題を取り上げた記事として出来上がっているのだけれど、さて、問題の重曹の治療効果というものについてはどうなのか?

このNHK記者は、朝日新聞と言うブランドと大学医学部教授と言う肩書に頼って、初めからいかがわしいと決めつけているようにしか、僕には思えないのだ。
僕がちょっとネットで検索しただけで、重曹を使って治療したりしている医療機関もあるし、癌はアルカリ環境を嫌うので、無害の重曹やクエン酸を飲んでみるのは、やってみる価値はあると言う医師などもいる。

明神館クリニック

また、あの山田邦子の”がんとのやさしい付き合い方”というサイトでは、重曹を飲む事も含んだアルカリ化療法を実践して論文も書いている医師のインタビュー記事も載っている。

山田邦子のがんとのやさしい付き合い方

ちょっとネットを検索してもすぐ出て来る。これらの人たちに電話でもいいからちょっと話を聞いてみれば、もう少し慎重な行動がとれたんじゃないのかな?
余りにも手軽過ぎる。
テレビのワイドショーが3分のトピックを作る為に自分達の都合のいいような情報だけかき集めてきたりするのと同じじゃないの?
と言うか、それも問題だと思うけれど。

そして、これがちょっと手を抜いた記事ならまだこれを書いた記者は、自分でいい加減な事をしていると言う自覚があるだろうけれど、どうみてもまじめに書いた記事にみえる。あの池袋暴走事故のときに新聞に、遺族に本気で同情して最初から加害者を悪人だと決めつけているような記事があったけど、あれに似ている。
バカより悪党のほうがまし、だって悪党は自分のしている事がわかっているけど、バカは自分で何やっているかわかっていないからどうしようもないって言う、あれだよね。

これって、マスコミ界だけじゃなくて日本人全体が幼稚化している表れじゃないのかなぁ、そう思うとゾッとする。

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