久しぶりの小説。なんでこの本を読むことになったかと言うと図書館の貸し出しランキングの1位だったから。だいたい、そんなものいままで一度もクリックしたことは無かったのだけれどどういう訳かポチっとしたらこれが出てきたのだった。
まあ、題名に惹かれたのもあるのだけれどなにより蔵書が100冊もある。予約数が約200あったのだが計算すると蔵書1冊の本に二人予約しているのより早いわけだ。例えばこの本で205番目だったら限りなく二番目予約に近いと言う事だ。
それでなんにも考えずに予約してみた。
ああ、やっぱりねと言う事でこの本は、アガサ・クリスティ賞に本屋大賞まで貰っているのだ。それで、2021年の本なのに今年になっても200人も予約待ちしてるんだ。
それにしても蔵書が100冊もある本なんて初めて見たよ。
舞台は第二次世界大戦の独ソ戦、主人公は自分の住んでいる村をドイツ軍に襲われて、村人も母親も殺されてしまい復讐に燃える少女。この少女が訓練を受けて一流のスナイパーとして戦っていく姿を描く。
さすがに本屋大賞、まあ、おもしろいと思う。これがデビュー作と言うからたいしたもんだ。
ただ、ハリウッドのアクション映画の原作になるような欧米の人気作家の本や有名作家のスパイ小説に比べるとちょっと平板だと思う。
もっと、人間を深く描いたり、人の動きから息づかいを感じられたり、銃や車両のデテイルや操作をもっと細かく描いたりしてこの作品に深みが出てくればなおいいんだけど。
ただ、全編ソ連を舞台にソ連の人を描いていて、まったく日本とは関係の無い小説はめずらしいし、日本人が書いたこの類の小説としては良く書けているほうだしおもしろいと思う。